りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

くらやみの速さはどれくらい

くらやみの速さはどれくらい (海外SFノヴェルズ)

くらやみの速さはどれくらい (海外SFノヴェルズ)

★★★

題名に惹かれて即借り。

帯を見ると「21世紀版 アルジャーノンに花束を」とある。そ、そうか。そういう小説だったのか。実は「アルジャーノンに花束を」‥感動して涙した人がたくさんいると思うけど、いや私ももちろん泣きながら読んだけど、好きか?と聞かれると、そうでもなかったりする‥。うー、ごめんよごめん。

この小説はじつはSFなのだ。

医学の進歩によって自閉症が幼児のうちに治療すれば治るようになり、主人公のルウは治療法が確立される前に大人になってしまった最後の世代の自閉症者。

物語のほとんどの部分はルウの視点から描かれている。これを読んだら、ルウに魅了されずにはいられないだろう。だからこのラストにやられるんだなぁ‥。うわ、結構突き放してくれるわね、って感じ。

でもなんていうか悪人と善人がはっきりしすぎているようで、そこが薄っぺらく感じてしまった。