りつこの読書と落語メモ

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闇に浮かぶ絵

闇に浮かぶ絵〈上〉 (文春文庫)

闇に浮かぶ絵〈上〉 (文春文庫)

★★★★★
ゴダードで今まで読んだことがあったのは、「さよならは言わないで」だけ。
この本はなんだか読んでいて妙にいらいらしてしまって、ゴダードは好きじゃないと思い込んでいた私。でも私の大好きな書評サイトでゴダードを絶賛していたので、リベンジのつもりで読んでみたのである。

婚約者のジェイムズに自殺され失意の底にあったコンスタンスを、彼女の寂しさにつけこむようにして結婚し、幸せに暮らしていたトレンチャード。
しかし彼らの所へ、自殺したはずのジェイムズが戻ってきて、平穏に見えた彼らの暮らしに影を落とす。

長男としての権利を主張するジェイムズに、爵位を奪われそうになった弟のヒューゴーは「あいつは詐欺師だ」と主張する。彼らの母親も「あれは私の息子ではない」と強く言い張る。こうして一族を巻き込んでの裁判が繰り広げられる。

一族の暗い過去や1人1人の思惑が交錯して、語り手が次々変わりながら、めくるめく物語が展開されていくのだ。

これは面白い!なるほど、ゴダードがもてはやされる理由がようやくわかったわ。
壮大なストーリーはまるで歴史小説のようだし、恋愛小説の要素もあるし、もちろんミステリーでもある。これは物語好きにはたまらない。

どっぷり世界に浸かって読んでいる時間は、まさに至福だったなぁ。
他の作品も全部読んでみるつもり。