りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

アリスの眠り

アリスの眠り

アリスの眠り

★★★★
「十二番目の天使」よりこちらのほうがよっぽど泣けたなぁ。


彼女が何かを失って呆然としている「現在」と、アリスの子供時代、大学時代、大人になってからのさまざまな出来事がランダムに語られていく。そしてそれらのエピソードの間には、アリスの母の物語も時々語られる。

読み進めるうちに、アリスがどんな女性なのか、母との間にあった確執、そんなものが徐々に明らかになっていく。
彼女の身に一体何が起こったのか早く知りたいのだが、なかなか核心に近づかないようで、いらいらさせられるのだが、それが作者のねらいなのか。

自分の一番大切なものを失う時、どうしようもなく絶望してしまうのは当然だ。
簡単に美しく乗り越えることなんかできない。

そして悪いことってなぜか不思議と続けておこるのだ。
まるで本当の強さを試すかのように‥。