心の砕ける音
- 作者: トマス・H.クック
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2001/09
- メディア: 文庫
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記憶シリーズで大ブレイクのクックの新作。
私の好きだった「死の記憶」と、なんとなく雰囲気が似ている作品。
最愛の弟を亡くした検事の兄。彼の死には、彼が愛した女性が関わっているらしい。彼女のあとを追う兄。
その現在と過去が交互に語られ、彼らの間に何があったのかが徐々に明かされていく。
これは面白かった〜。心理描写がとても細かくて、読んでいるうちにだんだん語り手である兄の気持ちに、自分の気持ちがオーバーラップしてゆく。
何か起こりそう、悲劇の予感が読み進めるうちに濃くなっていき、どきどきしながら夢中になって読んでしまった。
全て語り尽くされているように見えて、しかしラストにはびっくりさせられて‥
ミステリーとしてもなかなか上等。