りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

水の中のふたつの月

水の中のふたつの月 (文春文庫)

水の中のふたつの月 (文春文庫)

★★

スケジュールがぎっしり詰まっていないと落ち着かない亜理子。虚言癖のある恵美。病的なまでに潔癖症な梨沙。
3人は小学生の時、決して誰にもしゃべらないと誓い合った大きな秘密があった。そんな彼女たちが十数年ぶりに再会したことで、封印していた過去が明らかになっていく‥。

小学3年生くらいの女の子たちは占い好きだ。誰にも覚えがあるのではないか。星占い、トランプ占い、コックリさん。
自分の力ではどうしようもないことがあったときに、呪いをかけたことが。
いつもいじめられているハンサムな少年。彼がもういじめられませんようにと、彼女たちは呪いをかける。

彼女たちの持つ純真さと残酷さ。それがとてもリアルで、怖い。
こういう女の持つ暗さとか怖さを描くのがうまいなぁ‥。でも意地が悪いなあ‥。

ああもう読むのはやめよう、いつもそう思うのだが、見つけるとつい手にとってしまう。私にとって乃南アサは、そんな作家なのだ。