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- 作者: 天童荒太
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1999/02
- メディア: 単行本
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- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1999/02
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ずっと読みたいと思いつつ、読むのが気が重いような本だった。「救いがない」という感想も聞いていたので、なかなか読む気になれなかった。
ひどい話だ。でも、よく書けていると思った。
本当にあったことを話すことができない。こどもはあまりにも無力だ。
どんなに病院で仲間と心を通わせることができても、いつかは家庭に帰ってゆかなければならない。誰も助けてくれない。
その無力感がどうしようもなく、伝わってくる。
彼らがとった行動。そしてその後持ち続けていた罪悪感。
それ故に、感情を殺して、仕事で自分を痛めつけるようにして生きてきた人生。
こういうことが決して誇張ではなく実際に起こっているのだと思う。恐ろしい。
親の罪をあたかも子どもの罪のように思いこませて、子どもを容赦なく傷つける行為は本当に許すことができない。読んでいて、かわいそうでかわいそうで胸が痛くなった。
でも、彼ら自身が決して汚されていない、そのことが非常に切なくもあり、物語の救いになっていたように思う。