コンセント
- 作者: 田口ランディ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2001/12
- メディア: 文庫
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金融ライターである朝倉ユキはある日、2ヶ月前から行方不明になっていた兄が死んだことを知らされる。
兄はアパートの自室で衰弱死していた。
長いことひきこもりを続けていた兄は何故死んだのか。
兄の死の謎を明らかにするために、ユキはかつての指導教授で恋人でもあったカウンセラーのもとを訪れる。
兄が死ぬ前に繰り返し話していた「コンセント」というキーワード。
その謎解きをしながら、ユキは自分の心の闇にどんどん踏み込んで行くことになる。
ひきこもり、親子関係、肉親の死は私にとってとても興味のあるテーマなので、以前から読んでみたいと思っていた作品であった。
センシティブすぎたり、優しすぎたりして、生きづらい人というのがいる。
あまりにも他人の感情に深入りしすぎると、苦しくなってきて、身動きがとれなくなったことは、誰しもあることではないかとも思う。
そういう部分を追及していると、自分自身がつらくなってしまいそうで、見ないように気がつかないようにしている部分がある。
そんな生きづらさを、身近な人間の感情に感応してしまい、他者の感情に翻弄されているせいだと、この本では語っている。
正気と狂気の境界線、、読んでいてとてもリアルで怖くなった。
ただ、シャーマニズムなど、私にはちょっと受け入れがたい部分もあった。
ラストもちょっと飛躍しちゃったなぁっていうか、私にはちょっとついていけないなぁという感じがしてしまった。