りつこの読書と落語メモ

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ニューヨーク・バナナ

ニューヨーク・バナナ

ニューヨーク・バナナ

★★★★
精神病院を出たり入ったりする母親に育てられたマイケル(=作者)。彼の少年時代、青年時代、そして現在を、いくつかの出来事に焦点を絞って描いた作品。

少年時代。学校から帰ってくると、半病人の母が待ち構えていて、学校の出来事を逐一報告させる。その支配力、影響力、絶望感。

青年時代。母親の呪縛から逃れようと家を出たものの、母親からしっかり受け継いでしまった神経衰弱。さまざまなことが重なって精神病院に入院してしまう。その閉塞感。

かなり悲惨な内容なのだが、決して重苦しくない。笑える箇所が随所にある。

最後の方を読むとわかるのだが、作者は、「モノローグ(一人語り)」の名手で、彼が今までラジオや舞台で語ってきた自分についてのモノローグをまとめたのが本書なのである。

心に直接訴えかけてくるようなわかりやすい表現で、自分のことを赤裸々に綴りながらも決して感情に走りすぎていない。

黄色い表紙とユーモラスな題名に惹かれて読んだのだが、なかなかいいひろいものをしたな〜という感じだ。