りつこの読書と落語メモ

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チャーミング・ビリー

チャーミング・ビリー

チャーミング・ビリー

★★★★★

心優しくユーモアに満ちていて誰もが愛さずにはいられなかった男ビリー。彼の葬式の日に、親戚たちによって語られる彼の悲恋とその後の彼の人生。

ビリーはなぜ酒で死んだのか。親友が彼を思いやってついた嘘はビリーの人生を変えてしまったのだろうか。ビリーと結婚して彼に夢中だったメイヴとの結婚生活は幸せと呼べるものだったのだろうか。

はっきりとした答えは書かれていない。でも誰もが「愛すべき人たち」だ。

決して「軽くない」テーマなのだが、全編に溢れる優しさとユーモアが心にしみいってくる。魅力あふれるビリー。酒でぼろぼろになりアル中になりみんなが叱ったり禁酒を誓わせたりして、そしてまた失望してそれでもやはり嫌いになれなかったビリー。まさに「チャーミング」なのだ。

ビリーの葬式から3日たったその日を中心に、ビリーを中心とした一族の歴史がさりげなく描かれている。

著者はアイルランド系のアメリカ人。この作品は1998年の全米図書賞に輝いている。

あとで帯を見てびっくり。彼女の一作目「女性編集者」は、アン・タイラーに高く評価されたらしい。