りつこの読書と落語メモ

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なくてはならない狂気

なくてはならない狂気

なくてはならない狂気

★★★★★
最愛の夫を白血病でなくした女性が、彼の死をいかに乗り越えて行くかを書いた小説。

全体にどうしようもない悲しみが満ちている。しかしそれは逆にいえば、夫が彼女にとってどれほど素晴らしい存在であったかということの証でもある。

主人公の女性が、夫の死に直面して今まで避け続けていた自分と両親の関係を見つめなおし、長いこと確執があった母親と歩み寄り、自分と息子の関係を自分と両親との関係とは違うものにしようと考える姿は非常に共感を覚えた。

これを書いたのが17歳の少女というのに驚く。マディソン・スマートベルに師事していたようなのだが、エリザベス・バーグの「永い眠りにつく前に」を彷彿とさせるような、静かで美しく愛に満ちたそして矛盾に満ちた家族の姿を細やかに描いていて、とてもよかった。

古屋美登里の翻訳する作家は、レイチェル・インガルス、デブラ・スパーク、エリザベス・バーグと、、どれも私好み。