りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

恋のお告げ

恋のお告げ (Hayakawa Novels)

恋のお告げ (Hayakawa Novels)

★★★★★
これは面白かった〜。
60年代にウッドストックで過ごした青春時代をいまだに引きずって、長髪によれよれのジーンズでリサイクルショップを営んでいる中年が主人公。彼が、寮が火事になって住む場所を提供することになった美しくて野心家の女子大生に恋をして、ニューヨークでばりばり仕事をしようと、就職活動に余念がない彼女を、なんとか自分のもとに引き留めて置こうと、あの手この手を使う、、というストーリー。

主人公がなんとも情けなくて、でも憎めなくて、キュート。彼と息子との葛藤、衝突もなんともユーモラスに描かれていてほろり。

この主人公がカルマを信じていて、カルマと欲望の板挟みになって苦しむ姿がなんともおかしい。
なんかこういう中年の危機とか悲哀を描いた作品に弱いなあ。帯に、ダスティン・ホフマン主演で映画化決定とあるけど、実現したんだろうか。