夏の災厄
- 作者: 篠田節子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/06
- メディア: 文庫
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ある夏、東京郊外のまちで、日本脳炎で死亡する人が続出する。原因はなんなのか。感染防止の策はあるのか。対策を余儀なくされた保健所で働く人々を中心に描いた作品。
O−157騒動を彷彿させる物語なんだけど、これはその騒動の起こる前に書かれた作品。
すごくリアル。スーパーヒーローがあらわれるわけではなく、対応するのがまちの保健所の事勿れ主義の役人たち。
阪神大震災のときに思ったんだけど、ある場所では町自体が崩壊してしまっているのに、それ以外の場所では何事もなく普通の生活を送っていることの異様さ。自分たちさえ平気ならどうでもいいやという無関心。
そんなところがとてもリアルに描かれていて、怖かったなぁ。