りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

小三治独演会 めぐろパーシモン大ホール

8/16(火)、めぐろパーシモン大ホールで行われた「小三治独演会」に行ってきた。

・こみち「安兵衛狐」
小三治「転宅」
~仲入り~
小三治「青菜」

こみちさん「安兵衛狐」
わーい、こみちさん。
出てきたときに渋いお着物!すてき!と思ったら、座るなり「演歌歌手のような着物ですみません。自分でわかっております」と。
今の家を決めるとき、自分も亭主も家で稽古をするのでそこは大事なポイントでお互いに地声で稽古をしてみてそれを別の部屋でどれぐらい響くかチェックしたりしていた。
一応楽器不可という家だったのだが見学に行ったとき明らかにピアノの音がしていた。
それで大家さんに「ええと、ここは楽器不可ですよね?私たち家で稽古をするのでそれは大丈夫でしょうか」と確認すると「楽しければいいですよ」と言われた。

あら、なんてアバウトな基準。
楽器不可だけどピアノの音は楽しいからOKってことなのか。
というわけで私は家では人情噺は稽古できません。

そんなまくらから「安兵衛狐」。
こみちさんは女性がとてもかわいらしくて色っぽい。
それがほんとに気持ちのいい色っぽさで、見ていてうきうきしてくる。
お酒をかけてもらってお嫁に来た幽霊に、助けてもらってお嫁に来た狐。
両方ともかわいらしくて思わず「そうですか。じゃいてください」っていう気持ちもわかる。

小三治師匠「転宅」
オリンピックの話をしているうちに政治のことを言いかけて「あーこの話はやめましょう」とやめ、でもやっぱりちょっと言いたくて言ってはやっぱりやめ…。
なんかわかる気がする…。でも正直もう政治の話は聞きたくないので(気持ちがざわざわするだけだから)話さないでくれてよかった…。
というかまだ小三治師匠は同じ気持ちでいるから「ああ、同じだなぁ」と思えて安心するんだけど、好きな人が明らかに自分と反対の方向を向いていることが分かると結構なショックだからほんとにそういう話は聞きたくないと思ってしまうんだよな…。

やっぱりこの話はやめましょう!と言って泥棒のまくらに入りつつまた戻りつつやはりやめ…「今日は小三治はダメです。こりゃ大惨事だよ!」と言いながら「転宅」へ。

この日はなんと一列目で師匠が上下を振ったときの目線の位置にいたので、まるで自分がお菊さんになったみたいな気がしてドキドキ。
いやぁもう小三治師匠のまぬけな泥棒がほんとにチャーミング!つねられて「よせよう」とにへぇと笑われた時はもうめまいが…くらくら。
泥棒を親戚と間違えて家に入れたタバコ屋さんが奥にいる奥さんに向かって「ばあさん、ふとんを出しておくれ」と言うだけでぶわははは!と笑ってしまう。
楽しかった!

小三治師匠「青菜」
出てきてすぐに扇子で仰ぎだしたので「青菜だ!」と分かる私は相当な小三治通。ほほほ。
植木屋さんのおかみさんの愚痴がおかしい。
「うちの恥を外にまき散らす」って…いいなぁ。
そのおかみさんが帰ってきた植木屋さんに「何踊りながら帰ってきてるんだい。いわしが冷めちゃうよ!」。このタイミングが思ってるよりすぐに来るのでいつも不意打ちで笑ってしまう。
最後油断したのかちょっとだけもやっとしたけど、楽しい青菜だった。