末廣亭2月上席夜の部
ちょうど入った時、小菊さんがあがっていたんだけど、お客さんが
この噺、そんなによく聞く噺じゃないけど、結構好き。なんかとっても落語的だから。
浅草演芸ホール2月上席夜の部
狂気の巡礼
★★★★
日常に侵された脳髄を搔きくすぐる、名状しがたい幻視と惑乱。冥境から降り来たる歪形の奇想。ありふれた想像を凌駕する超越的感覚と神経症的筆致で描く14の短篇。〈ポーランドのラヴクラフト〉による類なき怪奇幻想小説、待望の邦訳。
壁が包囲する入口のない庭園。漂う薔薇の芳香には、ある特別な《におい》が混じっていた。「薔薇の丘にて」
神経科医のもとへ診察を受けに訪れた精神病理学者の妻。彼女が打ち明けた夫の驚くべき秘密とは?「チェラヴァの問題」
筆を折り蟄居する作家を見つめる無人の向かい家からの不穏な視線。著者の自画像ともいうべき怪作。「領域」
読みかけていた「ウインドアイ」が陰惨だったので、ちょっと気分転換にと読み始めたら、こっちがさらに陰惨で「うわーーー」っとなった。
残虐な事件があった場所に人間の残酷さや情念が残り、そこに居合わせたひとを巻き込んでいく。繰り返される絶望のイメージに、もうやめてー!と叫びたくなるほど。
何度となくもう読むのやめようかなと思いながらも、読むことをやめられない。なにか恐ろしいものが潜んでいるかもしれないと怯えながらも立ち止まらずにはいられないように、のぞきこまずにはいられないように、最後まで読んでしまった。
正気と狂気の境目はほんとに薄くて、自分もいつそちら側に引っ張られるか分からない。そんな読後感。
さん助ドッポ
1/30(月)、お江戸両国亭で行われた「さん助ドッポ」に行っ
・さん助「西海屋騒動」より第五回「鐵牛和尚」
~仲入り~
・さん助「ぞろぞろ」
・さん助「妾馬(通し)」
さん助師匠「西海屋騒動」より第五回「鐵牛和尚」
前回行かなかったので、入場の時にいただいた第四回「お照と義松」のあらすじと人物相関図を開演前にあわてて読む。
以上が前回までのあらすじ。
大家に妹の支度金をいくらにするかと聞かれて「女郎に売ったとし
八五郎が飲み食いする席にお殿様は同席してないんだけど、
この数か月バランスを崩しているように見えてひやひやしていたのだ。(余計なお世話だが)
いとうせいこう×奥泉光「文芸漫談シーズン4」 谷崎潤一郎「鍵」
1/28(土)、日本近代文学館で行われた『いとうせいこう×奥泉光「文芸漫談シーズン4」 谷崎潤一郎「鍵」』に行ってきた。
「お正月はどうでしたか」とせいこうさん。
毎回、奥泉さんの夏休みやお正月の話を聞くのが恒例になっている。
「お餅なんか食べるんですか」と聞かれて「お餅はそんなにはね…お酒だね、もっぱら」と奥泉さん。
今日本で一番おいしい日本酒を売ってる店があってそこに正月用の酒を買いに行った。
その店は29日から6日までお休みということで、その間は買いに来られないからまとめて買っておかないといけなかった。
2日出かける用事があってその際にも酒を持って行くことを約束していたので都合3本。
でもこれは家では飲めない酒。
家用に何本必要だろうかと考えに考えて3本。あと電車で飲む用のワンカップ。これもおいしいワンカップを厳選して。
しかし日本酒6本を持って電車に乗って帰るのはさすがにしんどい。
奥さんに電話をして車で迎えに来てもらうことに。
文句たらたらで来てくれた奥さんと二人で車に乗り込んだのだが、その瞬間に「3本じゃ足りないかも」という不安がむくむくと。「ちょっと待ってて」と言ってもう一本買い求めた。
年末は新潟に帰省したのだが、電車で飲もうとそのうまいワンカップを二本持って出かけた。
新幹線では開けるのを我慢して、在来線で飲むことに。
二本じゃ足りないかもしれないけど新潟まで行けばホームでおいしいワンカップを買うこともできるし車内販売もあるだろう。
まずは一本を大事に飲んでいると、隣に座ったのが女性で通路を挟んで連れの男性。どうやら二人で女性の故郷に初めて帰るらしく、連れの男性に景色を楽しんでほしいからそんな座席をとったらしい。
女性の方が「海も見えてきて景色がよくなるから」とか「この電車もいいでしょ。雰囲気があって」などと言っている。
その邪魔をしないように、あまり酒の匂いをまき散らさないように…と気を使いながら、もう一本のワンカップを開けたら少しこぼれてしまった。ティッシュで拭こうと思ってワンカップを置いておいてポケットをがさごそやっていたら肘があたってワンカップが落ちてしまった!
床に酒がこぼれていくわ、匂いは充満するわ、楽しみにしていた最後の酒がおじゃんになるわで「ぎゃーー」と高い声の悲鳴をあげてしまった。
つまみにと用意していた乾き物のほたてもまだたくさん残っていたのに…。
…奥泉さんの話のおかしいことったら。
「漫談家」を名乗っている人たちよりよっぽど面白い。最高すぎる。
そんな話から、今日のお題である谷崎潤一郎「鍵」へ。
この作品は谷崎晩年の作品、とのこと。70歳でこんな作品を書いてしまうんだから文豪って…!
この作品は三部構成になっている。
1.1月1日から4月16日 夫と妻の日記
2.4月17日から5月1日 妻の日記(夫は脳溢血で倒れる)
3.6月9日から6月11日 妻の日記(夫の死後)
・この作品は雑誌の連載小説。元旦から日記が始まるというエンタメ性。(い)
・タイトルの「鍵」は、夫が妻に日記を読ませたくてわざと落とした鍵。娘の敏子の部屋に鍵がたくさんある。
・夫の日記はカタカナ+漢字、妻の日記はひらがな+漢字。夫の方は窮屈げ、それに反して妻の日記はのびやかで楽しげ。(お)
・妻の日記で妻は夫の日記のありかは知っているが「読まないけどね」を強調している。読んでほしい夫を焦らす。Mを喜ぶ手口(い)
・夫の日記の読者は妻であり、妻の日記の読者は夫、さらに我々読者。日記には全部本当の事が書いてあるわけではない。
・夫は敏子の婚約者候補である木村をそそのかして、その嫉妬を利用して自分の性欲をどうにか機能させようと試みる。
・1/28(P26)妻が不省になる。ブランデーを飲んで酔っぱらい便所に籠りその後風呂に入り裸で倒れる。
木村と二人で介抱するのだが、上半身は木村に与え、自分は下半身を受け持つ。ぎりぎりをやりたい夫。「プレイ開始」
・1/29(P29)妻は本当に寝てるかどうかあやしい。夫は蛍光灯を持って寝室に入り、フェチを全開する。
・寝ている?妻の寝言「木村…」。最高。(い)
・観察者としての夫。一方的な視線。
・便所で倒れた時の描写。和式トイレでずっとしゃがんでいるというのはすごい体力。そしてわざと汚い描写を丁寧にしている。美しく書かないところに谷崎の魅力が。
・夫が読むのを前提で書く妻の日記。その日の行為を褒めながらもでも木村かもしれない、と書いてみたり。嫉妬心をあおる。
・2/9(P43)娘の敏子家を出る。両親が夜な夜な何をしてるか気付いている。敏子と木村も関係があり、敏子は郁子に嫉妬もしている。また木村に父母のことを話してもいる。
・木村がポラロイド写真のことを夫に話す。(明らかに敏子から話を聞いている。)
・「風呂場倒れ」(い)がルーチン化。ルーチン化するのが早い。3日に1回はやってる。
・2/27(P56)夫が妻も日記を書いていることに気づく。お互いに「読んでない」と言い張る。
・夫、日記に木村への気持ちは書かないでくれ、と頼む。
・妻は夫が日記を見たかどうか確認するために自分の日記帳をテープで仕掛け。その跡を拡大鏡で調べる。(絵として面白い)
・ポラロイドで撮った写真を日記に貼って妻に見せる夫。なにか写真のようなものがあったようだが見てない、と言い張る妻。
・3/10(P65)夫、脳の障害を起こしていることを日記に記す。「命を削りつつある」。
・3/14 敏子が写真を見る。新段階へ。
・3/24(P82)敏子の家で妻風呂場倒れ。夫は視覚が狂ってきていて死に近づいて行っている。
・3/31(P91)妻、酒なしで木村と関係を持ったことをにおわせる。そのあと、わざと日記に詳しく書かない。(焦らし)
・4/6(P96)具体的な描写。夫の嫉妬を掻き立てる。とことん嫉妬させておいて「狭義に解釈しての一線は越えずにいる」。
・4/10(P100)妻が自分も病気が悪くなっていて命を削ってやっているのだ、と書く。(嘘であると後に書いている)夫を死の淵へ追い込んでいく。
・夫が脳溢血で倒れたのちも日記を書く妻。誰に向けて?明らかに文章が変わる。夫の事も「あの男」。もしかすると木村に読ませるために?
・4/21(P137)倒れた夫が何か言っていて耳を近づけてみると「ビフテキ…」。大笑い(い)。いやそんなことはなく悲しい(お)。ビフテキを食べて性生活に励んでいた夫。またビフテキを食べてしたい、という気持ちのあらわれなのでは。
最初から最後までおかしくて笑い通しだった漫談。
でも「ロリータ」の時は、かなり引き気味だったお二方が、「鍵」にはノリノリで、「谷崎はすごい」「素晴らしい」「こういうところが谷崎の凄いところ」と言っていたのが印象的だった。
私も前半部分は妻が被害者のように見えて夫が気持ち悪かったのだが、読み進めるうちに妻の方が怪物に見えてきて小気味よく、突き抜けたユーモアも感じて面白く読んだ。
ウインドアイ
★★★★
妹はどこへ消えたのか。それとも妹などいなかったのか? 『遁走状態』に続く最新短篇集。最愛の人を、目や耳を、記憶を、世界との結びつきを失い、戸惑い苦闘する人びとの姿。かすかな笑いののち、得体の知れない不安と恐怖が、読者の現実をも鮮やかに塗り替えていく――。滑稽でいて切実でもある、知覚と認識をめぐる25の物語。ジャンルを超えて現代アメリカ文学の最前線を更新する作家による、待望の第2短篇集。
妹がいなくなる。いなくなったことに気付いているのは自分だけで、母はいなくなったことにさえ気付かず、もともと妹などいないと言う。いなくなった妹のことを繰り返し繰り返し考える人生。
もともとなかった耳をくっつけられる。それ以来自分が自分だけじゃなくなる。そもそもほんとの自分とはなんだったのか。
あるいは殺される。あるいは殺す。繰り返し繰り返し殺されてもちゃんとは死なない。父の脚を治したくてある家を訪れると全ての不幸が自分に降りかかる。ふと魔がさして踏み出した1歩のせいで取り返しのつかないことになる。
悪夢のような喪失の物語が次から次へ。読んでいるうちにどんどん鬱になってくる。でも目が離せない。
面白かったけど前作よりも読むのがしんどかった。
浅草演芸ホール1月下席夜の部
1/27(金)、浅草演芸ホール1月下席夜の部に行ってきた。
浅草演芸ホールは観光のお客さんが多くてわちゃわちゃしていてあんまり好きじゃないんだけど、この顔付けだったら行かないわけにはいかない!
・ペペ桜井 ギター漫談
・小満ん「尿瓶」
~仲入り~
・馬石「たらちね」
・今松「後生鰻」
・ぺー 漫談
・志ん輔「替り目」
・扇遊「狸賽」
・楽一 紙切り
・雲助「厩火事」
ペペ桜井先生 ギター漫談
お元気そうでなにより。
小満ん師匠「尿瓶」
白酒師匠でしか聞いたことがなかった噺。
尿瓶を花瓶と間違えて買い求めようとする侍。道具屋の主人が「それは尿瓶です」と正直に言ったのだが、尿瓶自体を知らないため「しびんという者がこしらえたのか」と感心している。
だったら高く売ってしまえと五両で売りつける。
宿屋に帰った侍が尿瓶に花を活けて飾っておくと、懇意にしている本屋がそれを見てびっくり。これは尿瓶で…尿瓶というのはこれこれこういうもので…と説明。
真っ青になった侍が道具屋に殴り込みに行くと、道具屋は母親が長く患っていて五両の高麗ニンジンを与えれば治ると言われたのでつい…と言い訳。
侍はそれを聞いて「孝行のためであれば仕方ない」と刀をおさめて帰って行く。
ばかばかしいんだけど、侍がとても威厳があって、ああ…武士と庶民ではこうも生き方に違いがあるのか、と感じさせる。すてきだった。
馬石師匠「たらちね」
他の人の「たらちね」と全然違う。くまさんが遠慮がちでなんかとってもかわいい。お鶴さんも言葉は確かに丁寧すぎるんだけどなんともいえずかわいらしい。
ゆったりした空気が流れていてとても不思議な「たらちね」。かわいいとしか言いようがない。
今松師匠「後生鰻」
浅草でこの出番で今松師匠を見られるなんて。幸せすぎるでしょう。
独特の空気感。なんだろう、こう話し始めると今松師匠の世界にふわっと包まれる感じ。
またこのサゲの落語らしさ。たまらない。大好き。
ぺー先生 漫談
笑え笑えと言われても面白くなければ笑えない。忍。
扇遊師匠「狸賽」
一度下がったテンションを扇遊師匠で気持ちよく上げてもらう。サイコロになる狸と、それをウキウキ喜ぶ男がかわいい。
楽一さん 紙切り
なんと切った紙を見せるための素敵な機械(?)を持参。
後ろに映すために体を斜めに倒す姿も好きだったけど、えへん!とばかりに機械に挟んで見せて、恭しく電気を消すのもかわいい。
いつもの耳の遠い師匠が「ウエディングドレス」を「梅にうぐいす」と聞き違えた話をしたら、前の方のお客さんが「梅にうぐいす」を注文。
ウエディングドレスを着た女性と男性のカップルと、梅に鶯がとまっているのを切り抜いて、見事だった。
雲助師匠「厩火事」
おさきさんがなんともいえずかわいい。
目をぎょろっと開けて、身体を斜めにぐいっと下げて「あーら、いやだ」と言うだけでめちゃくちゃおかしい。
今日という今日は別れると言いながら、大家さんに旦那の悪口を言われると、ついつい旦那を庇ってしまう女心。
またこの旦那がかっこいいんだ。ちょっと悪くて。
最初から最後まで楽しかった。
末廣亭1月下席夜の部
・南なん「不動坊」
・伸治「あくび指南」
・茶楽「富久」
二ツ目勉強会 第298回
「これは鹿じゃなくて犬じゃ」で押し切ってしまうっていうのも強引なお裁きだけど、なんでも正しければいいってもんじゃないよね、こういう精神って大事だよなぁ、とこの噺を聴くといつもおもうのだった。
面白い!
末廣亭一月下席夜の部
1/23(月)、末廣亭一月下席夜の部に行ってきた。
・雷蔵「ねぎまの殿様」
・松鯉「源平盛衰記 那須与一・扇の的」
~仲入り~
・歌春「鍋草履」
・Wモアモア 漫才
・南なん「不動坊」
・夢太朗「置き泥」
・喜楽・喜乃 太神楽
・茶楽「芝浜」
雷蔵師匠「ねぎまの殿様」
「目黒のさんま」のねぎま版のような噺。
前も雷蔵師匠で聴いたことがあったかも。
お殿様が三太夫を連れて向島へ雪見に出かけようとすると、上野広小路のあたりでいい匂いがする。
「このにおいはなんじゃ」と聞くと「煮売り屋でございます」と三太夫。
入ってみたいという殿にあれはごくむさい所だと三太夫が言うのだが入ると言ってきかない殿様。
仕方なく店に入るとごく汚い店で椅子は醤油樽。
主人の言う「ねぎま」を「にゃー」と聞き違える殿様だが、食べてみるとネギの芯が飛び出すので「鉄砲仕掛けになっておる」と驚きながらも味はうまいと気に入る。
酒を所望すると「だりにしますか三六にしますか」と聞かれ、「だり」の方が上等と聞きそちらを飲みそれも気に入る。
またあの「ねぎま」が食べたいと思った殿が、ご膳番の留太夫に「にゃーを持て」と所望。
意味が分からない留太夫に三太夫がいちいち指南をして、そのようなものをお出しする、という噺。
庶民の符丁を喜んで使う殿さまがとってもかわいい。
殿さまが入って来ても動じない店の主というのもなんか落語的で面白くて、好きだなーこういう噺。
雷蔵師匠、時々ギャグを入れながらの楽しい高座だった。
松鯉先生「源平盛衰記 那須与一・扇の的」
にこにこして出てきて決して声を張ったりしないのに、話し始めると空気がぎゅっと締まる。
この日はお客さんも少なくてなんとなくちょっとどんよりした雰囲気だったんだけど、そんな中でも手を抜かない松鯉先生が素敵だ。
義経にどうにか一矢報いたい平家がある日船縁に扇を立てた小舟を出す。この扇の的を射抜いてみよという挑発なのだが、そんなことができる腕の者はいないだろうという計算があった。
また義経が女に弱いことを知っていたので「玉虫の前」と呼ばれたよりすぐりの美女に舞を躍らせ気をそごうとした。
この美女がどれほどの美女だったかを、とてもユーモラスに語る松鯉先生。思わずぶわははと笑ってしまう。
誰もが怖気づいて名乗り出ない中、白羽の矢が当たったのが那須与一。まだ十代の少年だったが見事な弓の腕前で、義経が所望した通り、扇の要目がけて弓矢を放ち…。
後半は思わず息を止めてしまうぐらいの緊張感で夢中になって聞いた。
松鯉先生が仲入りってほんとに贅沢。
南なん師匠「不動坊」
仲入りの時に、茶楽師匠の応援隊のおじいさんたちがどっと入ってきて最前列に陣取ったのだが、お酒も入っていたこともあって、歌春師匠のまくらやWモアモアの漫才にいちいち答える。
中に「いいなー」って言うおじいさんがいて、歌春師匠のいつもの話(楽屋にいるとなんでもしてもらえる、気楽な商売、家に帰ると熱いお風呂が沸いていて…)全てに「いいなー」。
こりゃかなわんなぁと思っていたんだけど、南なん師匠が「不動坊」をやり始めるとぴたっと止んだ。えっへん。(←なぜか私が誇る)
この間見たばかりだったので、なんとなくおさらいをするような気持で見入ってしまった。
あんころを買ってきてバカ呼ばわりされたまんさんが「お前らだってばかじゃねぇか。だいたい利口なやつがこんなことするか?」というのが大好き。
何も聞かされてない前座が「なんの幽霊でしたっけ?…はいっ」といちいち向き直ってやるのが楽しい。
アルコールだと思って火をつけるしぐさもいいなぁ…と思いながら見ていた。
茶楽師匠「芝浜」
「紙入れ」ばっかりだーと思っていた茶楽師匠。
何をされるのかなぁと思っていたらまくらなしで「芝浜」。うひょー。
おかみさんがとても色っぽい。でもなよなよしているわけじゃなくしっかりしている。
旦那の方は最初は仕事に出るのを渋ったり、外に出てからも早朝に出ていかなければならない魚屋という仕事を愚痴ったり財布を拾うと「誰が仕事なんかでるかい」と言ったり。
でもあれは夢だったんだと聞かされると、「ああおれはなんてことを」と後悔しおかみさんに「おっかぁどうしよう。もうこうなったら死ぬしかない」。
「お前さんの腕なら絶対に取り戻せるよ」と言われると「わかった。もうおれは酒はやめる。一生懸命働くよ」とやる気を出す。
3年たった大晦日、おかみさんからあれは本当のことだったと聞かされて最初はげんこを振り上げかけるのだが、最後まで聞くと「おめぇはえれぇよ」と頭を下げる。
またこう語りが芝居くさくなくてスマートなんだけど気取ってるわけじゃなくてすごくすてき。
よかった。
立川談幸落語なじみ亭
1/21(土)、連雀亭で行われた「立川談幸落語なじみ亭」に行ってきた。
・幸之進「蔵前駕籠」
・談幸「おすわどん」
・談幸「井戸の茶碗」
~仲入り~
・談幸「鼠穴」
談幸師匠「おすわどん」
お正月は前座にお年玉を渡さなければならない。
この間も立川流の前座にお年玉をあげたんだけど、受け取った後に前座が「実は師匠私今月いっぱいでやめることになりまして」。
…なぜそれを先に言わない?!わはははは。
その前座に「なんでやめるの?」と聞いたら「噺家が自分には合わないと思ったので」と。
でもね。噺家が合ってる噺家なんていないんですよ、めったに。落語が好きで噺家になってるやつがほとんどで。合ってるわけじゃない。
私もそうです。合ってない。どちらかというとサラリーマンの方が合ってるかもしれない。でも自分は朝早く起きるのが嫌いで長時間働くのが嫌いで…そう考えたとき、選択できる職業の幅がぐっと少なくなって、いたしかたなく噺家になったんです。
ふふふ。確かにその職業に向いてるからやってるっていう人なんてほとんどいなくて、好きだったり他のことができないからただただ続けてるっていう人が多いんだろうな。なんでもそうだよね。
でも続けて行くってほんとに大変なことで。
そして噺家さんの場合は師匠にもよるんだろうな、続けて行けるのかどうかは。自分は続けたくても師匠にクビにされてしまったら続けたくても続けられないもんなぁ…。
そういう世界なんだとは思うけど、師匠によるアタリハズレも明らかにあるようで、ちょっと複雑な気持ちになる。いやこれは立川流の前座さんのことじゃないんだけど…。
でもきっとそういうアタリハズレも含めて噺家という生き方なのかなぁ。
噺に入って、あれ、これは聞いたことがない噺。いや、一度ぐらいはあったかも。なんだっけ。
正妻のおあきさんがとてもよくできた人で旦那の妾おすわを家に入れてやり妹のようにかわいがってやる。
しかしおすわは何かそれが気に入らなくて、おあきが自分をいじめているようなことを旦那に告げ口。旦那もそれを真に受けておあきに冷たく当たったりしていると、それを苦にしておあきが井戸に身を投げてしまう。
店の者は全員がおあきの味方だったのでたいそう嘆くのだが、旦那とおすわはこれ幸いと49日が過ぎると夫婦になる。
しかしそのうち毎晩丑三つ時になるとおもてで「おすわどーん」と呼ぶ声と、ぱたぱたぱたっと叩くような音がするようになる。
身に覚えがあるおすわは、おあきが祟って出てきたと言って患ってしまう。
心配した旦那が近所に住む腕に覚えがある浪人を家に呼び込んで化物の正体をあかしてもらおうとすると…。
談幸師匠はいろんな噺をしてくれるからそこがまたたまらない魅力。
決まった噺しかしない噺家さんもいてそういう方には考え(一つの芸を追及…?親子酒で?)とか事情(覚えられない、自信がない、席亭からいつものアレを期待されて顔付けされている)があるのかもしれないけど、私はいろんな珍しい噺をしてくれる噺家さんが好きだなぁ。
談幸師匠によるとこの噺は歌丸師匠がよくやられていて、あとは先代の圓楽師匠がよく寄席でかけていたらしい。
談志師匠が圓楽師匠に「よくこんな面白くない噺をやるね」と言ったら、圓楽師匠がこの噺はサゲがすぱっときれるから降りやすいんだと言った、と。
なるほどー。たしかに。
普段何も考えずに聞いているけど、確かにそういう「お、みごと」っていう後味を残すときがあって、それってサゲの決まり具合によるところもあるんだな、と初めて気づいた。
談幸師匠「井戸の茶碗」
最近結構いろんな師匠の「井戸の茶碗」を聞いているので、つい聴き比べ。
談幸師匠の清兵衛さんは茶目っ気があってチャーミング。
千代田氏が五十両を断る時に「売った品物に傷があったと言われたら、それはもう売ったものだから…といって受けないのに、金が出たと言われてその金を受け取るのは道理に合わない」。
おお、なるほど。そういう理屈か。
さらに「施しはうけない」ときっぱり。
そうだよな。生活に困窮してるからこそのプライドなんだよな、そこが。それがなかなかこちらに伝わってこないんだよな、いろんな人の井戸の茶碗を聞いてるけど。
井戸の茶碗のお金を折半して百五十両を受け取ってくれと千代田氏を訪ねた清兵衛さんが「今度も何か品物を出してなさいよ。楊枝かなんかを。楊枝ならいくらなんでも井戸の楊枝ってことはないでしょ」と言ったのがおかしかった。
明るくて楽しい「井戸の茶碗」だった。
談幸師匠「鼠穴」
わかっていても火事になってお兄さんにお金を借りに行って断られて困り果てて娘を吉原に売るシーンでいつも泣いてしまう。ううう。ひどいよう…。お兄さん…。
うなされている弟を起こした兄が夢の話を聞いて「え?俺、悪役?」と言ったのが面白かった。
何度見てもこの噺、お兄さんがどっちなのか分からないんだよなぁ。まぁ人間なんてわからないものだから。それをさらっと描いている落語ってやっぱり面白いなぁと思うのだった。
せめ達磨 vol.66
1/20(金)、中野小劇場で行われた「せめ達磨vol.66」に行ってきた。
・きく麿・めぐろ 前説
・あおもり『愛を詰め替えて』
・天どん『正月太り』
・ゲスト:バロン(ヴォードビル)
~仲入り~
・めぐろ『粗忽の韻』
・きく麿『いやじゃいやじゃ』
あおもりさん『愛を詰め替えて』
前座さんも新作をやるのがせめ達磨スタイル。あおもりさん、そうか、白鳥師匠のところに入ってるってことは新作派だったのか!
よく「稽古はどこでしますか」と聞かれますが、どこでもやるんです。自分の家でもやりますけどアパートなのであまり大きな声は出せないのでカラオケボックスに行ってもやりますし、道を歩きながらとか電車の中でとか。もちろん電車に乗ってる時はそんなに大きな声は出せないんですけど、やってるうちに力が入ってきて気が付くと結構大きな声を出していてまわりから人が一人減り二人減り…としていくことはよくあります。
この間も電車の中で「誰かと思ったらはっつぁんかい」なんてやってたら周りから人がいなくなっていったんですけど前に立っていた若い女性だけはいなくならなかった。そのうち彼女が「あの…あなたも、ですか」と聞いてきた。
見たことのない人だったのでプロじゃないなと思いつつ、でも大学の落研とかなのかな?私は落語協会ってところで前座やってるあおもりと申しますと名乗ろうとした時、彼女が言った。「あなたにも見えるんですか?」。
どうやら上下を振ってるあたりに、彼女には何かが見えていたらしい…。
そんなまくらから、シャンプーとコンディショナーの噺。
あなたと別れたくないとすがりつく女に「おれ中身がないんだ。からっぽなんだ」と男。
女の方がコンディショナーで男の方がシャンプー。
今まで詰め替えられて命をつないできた(?)ふたりだったのだが、この間住人が薄毛用のシャンプーのボトルを買って来ていたから、中身がなくなったらいよいよ捨てられる、と絶望しているのである。
なかなか微妙な(笑)新作だったけど、ちょっと暗めなのが独自な感じで面白いあおもりさん。二ツ目になったらきっとバリバリの新作派になるんだろうな。
天どん師匠「正月太り」
お正月、龍玉師匠と一緒に地方の仕事に行った時の話をつらつらと。
地域寄席に毎年呼んでもらっているんだけど世話人が結構熱心で村の住人の半分ぐらいが来るんだからすごい。それにしてもなんでああいうところの人たちは抽選に命をかけるんでしょう。なんであんなにもらいたがりあんなにあげたがるのか。
昨年は120名ぐらいのお客さんの中で60名ぐらいが当たったんだけど、そうすると当たらなかったと文句を言う人たちがでてきた。なので今年はあたりを100名にしました、って…。それは余計にもめるのでは?と思ったのだが、そうなると抽選に1時間半ぐらいかかる。さすがに付き合いきれないので後半の盛り上がるところで出て行くことにしたのだが、それだけ当たるとなると逆にお客さんはあっさり帰っちゃって、最後の方になるほどたいして盛り上がらなかった。
あと、自分たちの前に何が出るかが結構重要なんだけど、今までは熱心な素人さんたちによる獅子舞だった。これに音楽がかかるんだけどこれがやけに音が遠い。外でやってる獅子舞の音楽をラジカセで録音した?みたいな感じ。
で、それはそれでよかったんだけど、今年は獅子舞が手配できなかったらしく、なんと素人の手品。素人の手品や物まねというのはほんとに厄介。というのはこういうのをやる人というのはたいてい自分大好きな人が多くていつまででもやりがたる。
今回も素人手品でいや~な予感がしたんだけど、来てみれば75歳のおじいさん。最初から手が震えてるわ、ガチで失敗するわ、それを挽回しようとまた違う手品をやるわ…もう大変。
まくらというかぼやきが止まらない天どん師匠。
すごく面白いからいいんだけど、時間は大丈夫?と心配になってくる。
さすがにまくらが長すぎたと思ったのか「正月太りの噺をしますよ」と。
正月明け、出社した新入社員を見て「お前誰だ?」と部長。
正月に実家に帰って運動もせず出てくるものを食べて寝てを繰り返していたらこんなに太って人相が変わってしまった、と。
それは困る、と部長。というのは、取引先のお嬢さんが「あの人しゅっとしていて素敵」と彼のことを見初めて一緒に飲みに行くことになっているのだ、という。
そんなことを言われても…と困っていると、そいつの同期でやせている男がやってくる。じゃ、お前を身代わりにしよう、と部長。
そんなのばれるに決まってるじゃないですか!というと、しゃぶしゃぶにして湯気をぼーぼー立てればたいして顔も見えないだろうから大丈夫、という。
座布団の上で腹筋やったり腕立てやったりはてはポールダンス(!)の真似事をやったり…妙にアクティヴなのがおかしかった。
バロンさん ヴォードビル
ウクレレを弾きながら歌い、タップでリズムを刻み、客席をあおり、最後は帽子の曲芸まで。
うおお、好き好き!
選曲が絶妙でユーモアのセンスもあってものすごく好み。
「天どん師匠が長講だったので」と時間が短めだったのが残念!
楽しかった~。
めぐろさん『粗忽の韻』
学生時代、友だちとチームを組んでラップをやってたことがあるというめぐろさん。くくまさんにお金を貸したけど期日になっても返してくれないから一緒に取り立てにいってくれ、とご隠居。
言われたはっつぁんは「くまとは関わり合いになりたくない」とにべもない。
なんでも最近くまさんはラップにはまって「ヨーヨー」言ってるらしく、危なくてしょうがないのだという。
それでも返してもらえたらその半分の3両をやると言われたはっつぁんは、それなら…と言って一緒に吉原に乗り込んでいく。
ラップ対決をして勝ったら返してやるというくまさんと花魁とのラップ対決が始まる…。
花魁の「ずびずびずび…」というリズムで始まるラップ対決がなんともばかばかしい(笑)。私は花魁のラップが好きだったな。ちゃんと韻を踏みながらちょっと悲惨なやさぐれた人生をうたっていて。
きく麿師匠『いやじゃいやじゃ』
おばあさん(?)二人が会話をしている。
「お餅はどうやって食べるのが好き?」
「そうねぇ。私はお醤油につけて海苔をまいて食べるのが好きね」
「ああ、いいわよねぇ。お醤油に砂糖を入れて砂糖醤油もいいわよね」
「ああっ砂糖醤油ね!いいわね!あれを初めて食べた時は感動したわっなんかこれって究極!って思って」
「あら…究極じゃないわよ…」
「そ、そうね…言い過ぎたわ」
なんかこのほかにすることがないからどうでもいいことをしゃべってる感じがたまらない。な
私、きく麿師匠の新作のまったり続く会話が大好き。「陳宝軒」の冒頭部分とか「スナックヒヤシンス」のママとチーママの会話とか。
面白い人がやるとなんてことない会話が楽しくていつまでも聴いていたくなるけど、そんな感じ。
そんな二人の会話にちょいちょい挟まれるのが、「ごろうさんが餅を喉につまらせてくれてよかった」。
つい忘れて安易に餅を飲みこみそうになるんだけど、その時にごろうさんのことを思い出して「危ない」って気がつくことができる。ほんとによかった。ごろうさんのおかげ。
そのごろうさんが後半に登場して、この前半のまったりした餅の会話が壮大な(!)仕込みであったことがわかるのがもう…ばかばかしいやらすごいやら。最高。
末廣亭正月二之席夜の部
1/19(木)、末廣亭正月二之席に行って来た。
・志ん橋「居酒屋」
・権太楼「つる」
・美登・美智 マジック
・小団治「ぜんざい公社」
・金馬「孝行糖」
~仲入り~
・太神楽社中 寿獅子
・小袁治「長短」
・一朝「芝居の喧嘩」
・小さん「親子酒」
・正楽 紙切り
・小三治「粗忽長屋」
志ん橋師匠「居酒屋」
居酒屋で働く小僧さんがかわいい~。こんなかわいい小僧さんだったら酔っ払いがついついからかいたく
お酒の種類を判断するのに下から見上げたりお酌をしたがらなかっ
何回か聞いてるけど大好きだ。
金馬師匠「孝行糖」
そんなに面白い噺だとは思わないんだけど、サゲのところをすごく
ほんとに寄席に金馬師匠が出ているとそれだけで幸せになれる。
小袁治師匠「長短」
いつも末廣亭で聞くと声が聞き取りづらいなぁと思っていたんだけ
でももうそんなことよりもなによりも最高によかった、小袁治師匠
短さんも長さんもこれ見よがしに短気だったりゆっくり喋ったりし
それでいて気が合うっていうのも伝わってきて、とってもほほえま
うわーーー、マックくん、素敵!これは小袁治師匠のトリの芝居を
一朝師匠「芝居の喧嘩」
この噺、一朝師匠以外で聞いたら絶対面白くないんじゃないかなぁ
次々喧嘩が起こるっていうだけでなんでこんなに陽気で楽しいのか
小さん師匠「親子酒」
時間があったらしくいつもよりたっぷりの「親子酒」…。
切ってる最中に二階から「闇夜のカラス」という声。
…なんだかなぁ…と思っていたら、最初知らんぷりしていた師匠が「
ろびぃ寄席
1/18(水)、シアターΧ で行われた「ろびぃ寄席」に行ってきた。
かわら版にも載っていないこの会、
ああっ、南なん師匠、もっと情報をっ!(ばたっ)
初めて行く会場で不安もあったのだが、
迂回ルートで行ったけど駅まで遠いわ迂回だけあって距離も長いし駅から会場までも遠いし…ぜいぜい。
しかも会場がどこかわからずあてずっぽうでエレベータに乗ってオ
どうにかシアターにたどり着いたのが開演時間5分後。
人身事故の知らせで若干開演を遅くしていてくださったでどうにか
・南なん「不動坊」
・味千代 太神楽
~仲入り~
・南なん「居残り佐平次」
・アフターミーティング
南なん師匠「不動坊」
普段はこの劇場のロビーでやってるんですけど、
明後日は雪の予報です。今日じゃなくてよかった。
ロビーで係のお姉さんと喋ってたんですよ。
開演を30分遅らせようかとか仲入りなしで連続でやろうかとか。
でもみなさん頑張ってきていただいたのでね。
ほんとによくおいでいただきました。
私、寒いの苦手なんですよ。
平熱が34.6度ぐらいしかないもんで、
体温が低いってよくないんですよ。免疫力が低いから。
だから結構気を付けてます。
食べ物もね。ヨーグルトとか納豆とか。
あれ作るの大変なんですよ。こう…
…塩麹を自作している南なん師匠を想像するとそれだけで落語みたい
しかも自作してるんですよ!
そして普段はなかなかまくらを振らない師匠がこうして話してくれ
そんなまくらから「不動坊」。
南なん師匠の「不動坊」は何回か聞いたことがあるんだけど、
お滝さんが妄想上のおかみさんだったっていうのもないし、
前座に前もって幽霊のセリフも教えない。
できるだけこざっぱりやりたいのかな、南なん師匠って。
もちろんそんな簡単なものじゃないんだろうけど、
味千代さん 太神楽
きれいっ。そして客席をぐっと引き寄せるのが上手!すばらしい。
南なん師匠「居残り佐平次」
大好き。南なん師匠の佐平次。
全体的に陽気なんだけど、
若い衆に向かって「お金の話はよしましょう!」
手慣れた様子で布団部屋に入っていき、
歯の浮くようなお世辞に、ちょこっとだけ顔が緩むかっつぁんも素敵。
店の主人が確かにすごくお人よしというかだまされやすいキャラク
お金から着物、帯までどんどん巻き上げるところで、
アフターミーティング(南なん師匠、味千代さん)
会のあとはなんとロビーで「座談会」。
出演者に質問や感想などどうぞと言われ、
なんてもったいない…。師匠に質問できるチャンスだったのに!
次回は質問をちゃんと用意して行こうっと。
南なん師匠の持ちネタが160席ぐらい。まだまだこれからも増やしていきたい。やりたい噺はたくさんあるけど最近は「夢の酒」が気に入っていて、あと「らくだ」をやってみたい(見たいっ!)。
一席目はいつも客席の雰囲気を見てから決めていて、もうこの会も何回かやっていてお客さんの落語レベルも上がってきているので、わかりやすい噺にこだわらなくても大丈夫だろうと思ったのと、女性のお客さんが多めだったので女性の出てくる噺をしようと思って「不動坊」。
味千代さんは入って六年目。この世界に入ろうと思ったきっかけは、もともと寄席が好きでよく見に来ていて、OLをやっていたんだけど、末廣亭で神楽の養成所のチラシを見つけて「これだ」と思ってその世界に飛び込んだ。最初から最後までHAPPYな芸なのでそこに惹かれている。
…もっといろいろ話をされていたけど緊張しちゃってあんまり覚えてない…。
鈴本演芸場正月ニ之席夜の部
1/16(月)、鈴本演芸場正月ニ之席夜の部に行ってきた。
・さん助「熊の皮」
・ダーク広和 マジック
・天どん「初天神」
・白酒「お茶汲み」
~仲入り~
・ホームラン 漫才
・歌奴「棒鱈」
・楽一 紙切り
・喬太郎「井戸の茶碗」
なんか元気がないっていうかバランスを崩しているような印象が…
十八番の噺なのに湧き上がってくる楽しさがないのはなぜなんだろう。落語って難し
鈴本演芸場二月下席昼の部の主任が決まっているさん助師匠。がんばれ~。それにしてもすごい、この写真。リアル蒟蒻問答やで。偽住職か蒟蒻屋の親方か柳家さん助かってなもんだ。
割引チラシも!
家を一歩出たとたん「あれ買ってくれ」が始まる金坊。長屋をぶち
親子の触れ合いや雑踏の景
寄席は懐が深い、と。
ホール落語だとちゃんとした人しか出られないけど、寄席は変な人
この芝居、ひざ前に文菊を入れたのは本当に絶妙。
え?ええ?なにこれ?とお客さんがだんだん怒ってきても文菊の落
私ですら「ちゃんとしてた落語!」て思えるぐらい。
ホームラン先生も…まぁあれですけど、見た目がちょっとイケナイ
相当酷いことを言ってるんだけど毒々しくないのが不思議だ。
ほんとに頭のいい人だよなぁ。頭の良さと程の良さには悪魔的なも
そういう意味でこの界隈は客引き、ポン引きがまだたくさん生息し
「客引きにはついていかないでください」って放送を流しているけ
ぜひともみなさん今夜この後付いて行っていただきたい。
そして吉原に行った男が、花魁の鼻のあたりにあるのがほくろじゃ
真似をする男の話を聞く花魁もなんともいえずうさん臭くて楽しい。
まくらが長すぎたのかかなり早口で飛ばしてたけど、楽しかった~
歌奴師匠「棒鱈」
正直、歌奴師匠は「棒鱈」率が大変高いので違う噺も聞きたいんだ
おばさんがお大臣の歌を聞いて「もうなにこれ」と低い声で言った
喬太郎師匠「井戸の茶碗」
富士そばのまくらで思ったほどウケなかったから?何をやろうか決
「なんか今日のお客さんいいね。がっついてなくてまったりしてて
くーー。余裕のセリフだなぁ。でも確かになんだろう、ウケすぎるお客さんがいない感じで、でも別